ドットテラスは長い長いお休みに入っています。今まで大変お世話になりました。

最前線スタートアップのCEOと語ろう!「PIRIKA NIGHT in DotTerrace」

こんにちは、ぐちです。

ごみ拾いアプリ「PIRIKA(ピリカ)」、そのCEOである小嶌さんとの交流会が開催されました。今回はそのレポートをお届けします!

そもそも「ピリカ」ってなんなの?

イベントのレポートの前に、まずは「ピリカ」のおさらいです。

ピリカのスクリーンショット

ピリカは世界最大規模のゴミ拾いボランティアアプリです。
これまでに67ヶ国から100万個近くのゴミが拾われています。

使い方は
1. ゴミを拾って、数を数える。
2. ゴミを拾った証拠に写真を投稿する。
3. 周囲のゴミ拾い友達(いい人)と繋がる。
の3ステップでとてもシンプル。
投稿したゴミを拾った写真は、ツイッターのタイムラインのように表示され、他の人の投稿等に感謝の気持ちをこめて「ありがとう」や「コメント」を書き込む事ができます。
これだけであなたの行動が周りの人へと伝わり、周りの人を巻き込み、最後にはごみひろいが大きなムーブメントになります。さらに、投稿されたゴミ写真は解析され、得られたデータは放置ゴミ問題の解決に役立てられます。
結果、あなたの小さな行動から世界が変わっていく、世界中と繋がっていく…
それが世界をきれいにするスマートフォンアプリ、ピリカです。
(画像及び一部の文言はAppStoreから引用)

そんな、ピリカの開発秘話、構想からローンチまでのお話をしてもらいました。

ピリカナイト

まずは、ピザと飲み物で乾杯!まずは参加者同士うちとけます。

ピリカナイト小嶌さんプレゼン

場の緊張もぐれてきたところで、なんと小嶌さんが、ピリカがスタートアップした様子を講演してくださることに!
そして今回は特別に発表の議事録を掲載したいと思います!快く許可してくださった小嶌さんありがとうございます。

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ここからは実際の講演の内容です。

1.ピリカが生まれた理由

昔から、環境問題に興味がありました。
小学生2年生の時、図書室でポプラ社の「地球の環境問題シリーズ全7巻」に出会いました。環境問題って、面白いな、もしこんな大きな問題を解決できたらかっこいいなと。それから将来環境問題に取り組みたいと思うようになりました。

ぴりか世界を旅する

大学では理系の学部に進み、研究者として環境問題に取り組みたいと思っていました、が、落ち着きの無い僕は机の前でじっとしているのが耐えられず、これは無理だと思いました。そこで研究者の道を諦め別の大学院へ進学。その後、休学し海外へ。日本は世界から見ると十分に綺麗なので、もっと問題の大きな場所へ行きたい、肌で感じておきたいと思ったのがきっかけです。
そんな時に、ベトナムに事業を展開している会社の代表の方とご縁があり営業マンとしてベトナムで働く機会を頂ける事になりました。その後、もっと世界の環境問題を体感したいと思い世界一周の旅をしました。

世界一周の旅で様々な場所を巡りました。
その時に、とても綺麗な景色があっても、ふと周りをみると、どこいってもゴミが捨てられていた。それがとても印象的で、どうにかしたいと思いました。と、いつもは単純化して説明しているのですが、実際に事業を作るまでのプロセスはもう少し複雑でした。

2.着想

海外をまわりながら、どうやっていけば環境問題が解決できるか様々なアイディをメモしていました。最後には100個以上になったと思います。
その中のアイディアをいくつか組み合わせてつくったのが「ピリカ」の原型です。組み合わせたアイディアは例えば

犯罪マップ

日本ではイメージできませんが、治安の悪い海外では一般的な犯罪マップ。ひったくりなどの事件があった場所を地図上にマッピングし危険度をヒートマップで視覚的にわかりやすくした。このように問題を視覚化すると自然に問題解決に繋がっていいアプローチだと思いました。

iPhoneの標準フォトアルバム

iPhone片手に世界を旅していたのですが、iPhoneにはカメラロールの中に撮影地という画面があって、写真を撮った場所にピンが立つんですね。世界を半周したあたりで気がついて、いろんな国や地域にピンが立って、自分が征服したような気分になって、とても面白いと思いました。気がつくとピンを立てるために、特に撮りたくも無い場所で写真を撮ったりするようになっていました。
簡単なゲーミフィケーションで人は特に意味が無いことや、別にやりたく無いことでも、喜んでやれてしまうんだなと、こういったゲーミフィケーションを使えば、タダで環境に良い事や問題解決もやってもらえるんじゃないかと思いました。

3.アイディアの具体化

世界一周旅行終了後、すぐにアプリの開発を開始しました。
最初は、特にゴミにはこだわっていなくて様々な環境の問題を地図上に可視化し、解決を促せるサービスにしようと思っていました。例えば、
・ポイ捨てゴミ
・落書き
・道路の破損
・放置自転車
なんかをユーザーにマッピングしてもらうことで、問題の存在を明らかにして行政やNPOに解決してもらえるようになるんじゃないかと思ったんですね。

ピリカ

ただ、そもそも僕の妄想なので、一応本当に街でこの問題があるのか、実際に街を歩いて確かめてみることにしました。研究室の友達に手伝ってもらいつつ、自分自身で問題だと思った写真を撮影しながら歩いたのですが、3日間かけて1000枚くらいの写真があつまりました。すると、その写真の95%以上がポイ捨てのゴミでした。そこでポイ捨てに絞ったサービスを作ることに決めました。

4.「ピリカ」の原型の誕生

1000枚の写真を撮ったとき、「せっかく写真とったならゴミも拾えよ」という突っ込みが友人からありました(笑)。最初は問題を投稿する事だけのアプリを考えていました。写真も撮って、ついでにゴミも拾うような人はさすがにいないよなぁと思ったのですが、とりあえず拾ってもらえるようにも作ってみたところ、ダウンロード数たった200くらいでしたが、そのうち10人以上がゴミを拾ってくれました。

問題の発見だけなく、その場で問題を解決できる!
こんな出来の悪いアプリでもゴミ拾ってくれるユーザーがいるということは、もっと作り込めば、もっといろんな人にやってもらえるかもと思いました。
ここまでで着想から4ヶ月くらいです。

当時の開発メンバー

元々の知り合いというのはあまりいなくて、ほとんどは「ピリカ」をはじめてから知り合った方々です。みんな普段は会社や大学に所属していて、かなりの激務。なので開発は、仕事が終わった23時頃からスタート。その時間に家にお邪魔して体力が尽きるまでやって寝る、という生活を繰り返していました。

5.「ピリカ」完成

ピリカ完成

リリースして、改良を重ね半年ほどで少しずつ拾われるゴミの数が増え始めてきました。1年後には一日あたりに拾われるゴミの数が100倍近くになりました。まあ、元の数字が1日数個とかだったので全然すごくないのですが(笑)

6.今後の展開

ピリカ企業向け

企業向けに、企業の清掃活動を簡単に可視化、PRできる仕組みの開発に取り組んでいます。企業がどこで、どんな風に清掃活動に取り組んでいるかが地図や写真で分かりやすく視覚化されていて、清掃活動に強い興味関心のあるピリカのユーザーさんや一般の人と好意的なコミュニケーションが出来る場が出来始めています。

日本は他の国と比較して、企業が頻繁に清掃活動に取り組んでいる印象があるのですが、情報発信まで手が回っていない場合が多いように感じています。企業のサイトがあったとして、CSRタブの中の、社会貢献活動の中の、地域への取り組みのページの奥底に、「清掃活動に取り組んでいます」と文字で書いてあるだけのケースが多い。でもホームページやブログの更新がとても手間なのは分かるので、ピリカでそれを簡単にできるようにしたい。

そうすれば、もっといろんな方に取り組みを知ってもらえるし、見られることで社員のモチベーション向上にも繋がるのではないかなと。

詳細は下記をご覧ください。
企業・団体版ピリカを使った清掃活動の見える化のページ

7.まとめ

ピリカ

ねばり強く事業に取り組みには強い「想い」が必要だと思います。
でも、その想いの強さはやってみるまでわからないんじゃないかな。
アイデアを思いついた瞬間は、すごくテンションが上がるので強い「想い」があると錯覚してしまいますが、実際に1〜2ヶ月やると冷めてくる。本当にやりたいのか分かります。

アイデアに価値はないです、考えても答えは出ません。ってよく偉い人が言ってる
気がします(笑)だから、アイデアや仮説を現場で検証していくのが大切だと思います。

Q&A

Q:海外へのアプローチ方法は?

リリースする直前に、卒業旅行で海外をまわっている友達に頼み込んでゴミを拾ってもらいました、だからサービス開始時点でピリカは世界9カ国で使われていて、「世界をきれいにするサービス」って言えたんですね(笑)

Q:アプリの言語は何国語?

日本語・英語・台湾語の3カ国語です。
台湾語は、現地のユーザーさんが翻訳するっていって手助けしてくれました。

Q:メンターの意見でアイディアがぶれなかった?

オープンネットワークラボというスタートアップのプログラムがあります。そこに採択されると、
 ・小額の投資
 ・オフィスが1年間無料で借りれる
 ・メンタリング
 ・起業家、投資家とのネットワーキング
などを得ることができます。最初のキックオフイベントで、日本のWEB業界を作ってきたような人達7人から20分間ずつ突っ込みを受ける時間があるのですが、ここでかなり揺れます(笑)ぼくらもいろんな意見をもらって「ゴミ拾いだけじゃなくて、小さな慈善活動という風に対象を広げた方が母数が増えるしいんじゃない?」といった意見ももらったりして悩みましたが、僕らが価値を感じられて、情熱を注げる問題はゴミ問題だと思ったので、ちょっと合理的でなかったとしてもこれでいきたいと思いました。

Q:投資はうけてる?

さっき話をしたオープンネットワークラボから投資をいただいています。

Q:メンバーはゴミ拾いに興味あるの?

人それぞれです(笑)でも、難しい問題に取り組むのが好きだったり、単純にプログラミングが好きだったり、いろんな理由があって、みんな粘り強く取り組んで下さっています。

Q:マイルストーンの設計とかは

特に細かくは決めていませんが、始めた時に5年間で事業を一人前にしようと思いました。
その後は、僕よりももっと優秀でイケメンなCEOに事業を引き継いでもらって、自分はまた新しくて変な事業を始められたらいいなと(笑)

Q:データの解析や収集はどうやってる?

mixpanel

Mixpanelというサービスをを使っています。ユーザーが画面遷移したりボタンをクリックしたりするたびに、その記録をMixpanelへ送っています。ゴミを拾った人の何%が写真を投稿して、そのうち何%が1週間続けてくれるとか。それ徹底的に分析して機能改善しています。この画面で操作を止める人が多いから使いやすくしようとか。

Q:マーケティングはどのようにしている?

メディアからの流入が多いですね。ピリカは社会貢献的なサービスということもあってメディアから取り上げていただきやすいのか、とても助けられています。

Q:今年の7月に拾われたゴミの数が一気に増えているようにおもうのですが、なぜですか?

6月末に企業団体向けのサービスを開始したからです。

Q:iPhoneとAndroidどちもネイティブで作ってのですか?

はい。昔はTitaniumで作っていましたが、表現に限界があったので変更しました。

Q:大きな反響があった改善は?

ゴミ選択

ゴミの数を入力するカウント画面の追加ですね。今までひとつゴミを拾う毎に写真を撮る必要があったのですが、たくさんゴミを拾う人にとって、毎回写真を撮るのはとても面倒でした。でも写真は証拠の意味もあるので無くすことは難しい。そこで、写真を撮影する画面の前に、ゴミの数を種類ごとに数えることのできる画面を入れることで、何個ゴミを拾ったとしても写真の撮影が1回で済むようになり、結果拾われるゴミの数は10倍くらいになりました。種類ごとのゴミの数が分かるでデータの精度も上がるし、写真の枚数は減ってサーバー費用は安くなるし良い事尽くめでした。

Q:モックアップの試し方は?

ヘビーユーザーさんとコンタクトをとり、実際にお会いしてインタビューをさせていただいています。そこで生の声を色々とフィードバックしてもらいます。

Q:削った機能はありますか?

ゴミを拾ったあとの写真の、綺麗になった場所の写真を投稿できるようにしていましたが、ユーザーさんにとって面倒だったのでやめました。
機能は増えても、メニューが増えすぎない様に注意しています。画面に3つの選択肢がある場合、ユーザーにとっては4つの選択肢がある。4つめの選択肢は「やらない」です。と、うちのデザイナーさんに教えてもらいました(笑)
そうならないように最初の選択肢はできるだけ少ない方が良い。すごい機能は奥に隠しておく感じで。ピリカもまだまだ出来ているとはいえませんが。

Q:サーバーは?

Google App Engineを使っています。
ピリカ最初の開発者であり、僕にプログラミングを教えてくれた友人に教えてもらってからずっと使っています。「本番環境」「テスト環境」×2の3つを用意しています。

Q:プロジェクトの管理の方法は?

torelo
Trello(トレロ)
タスクの管理やアイディアをためるメモに使ってます。他の人へタスクを渡したりいろいろ使い方次第で色々と活用できます。

GItHub
主に開発系のソースやイベントの共有に使っています。

Q:SNSとか活用されていますか?

Facebookページはもちろんですが、twitterとかの投稿もみています。
「ピリカ」や「清掃活動」に関する投稿があったら、すぐ返信できるようにしています。

Q:沖縄以外を訪問したりすることもありますか?

普段は関東・関西メインですね。あと協賛企業の候補となる企業があればどこでもかけつけます(笑)
ピリカ協賛お問い合わせはこちら

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以上、内容盛りだくさんの講演でした。
わたしもStartup Weekendなどでスタートアップのプロセスを体験したことがあるのですが、「プロトタイプをつくり試してもらう」「実際に街に出てニーズに調査する」「ユーザーヒアリング」など、まさにそのプロセスが実際に行われていて驚きました。Startup Weekendのキャッチフレーズ「あなたが起業家になる54時間」というのもうなずけます。

それとは別に、小嶌さんの想いの強さにも感動しました。
自分で何かサービスを作ろうと思っても、まわりの意見にどんどん振り回されて、そのうち「これはやっぱり違うな・・・」とか諦めてしまうことが多々あります。その点、小嶋さんは全くブレずに最後まで想いを貫いていました。
結局サービスを作るのって、いいアイディアとかも大事だけど「想い」の部分が一番大きなウエイトを占めてるんだなと感じた講演でした。

ピリカナイト終了

ピリカポーズ

そんなわけで、最後に参加者で記念撮影。
口に手を当て、ピリカのキャラクターに見立てたピリカポーズを提案してみましたが、不評でした(笑)

ピリカポーズ

終了後も、質問がたえない参加者。
写真は普段、使っている便利ツールを紹介してもらっているところ。

小嶌さんお忙しい中、
大変勉強になる講演会ありがとうございました!!

みなさん、ピリカを是非ダウンロードして使ってみてください!

■ピリカ公式サイト
http://www.pirika.org/

■ピリカ AppStore
https://itunes.apple.com/jp/app/id434984120

■ピリカ Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.epirka.mobile.android